歯周病について
歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる歯周病細菌が原因となり発症し進行する細菌感染症です。歯周病が進行すると、歯を支えている骨が破壊されて最終的には歯が抜けてしまいます。つまり、歯周病は虫歯と同様に歯を失う主な原因なのです。
歯周病が全身に及ぼす影響について
歯周病は、歯を失うだけでなく全身の病気にも関わっています。
こんにちでは、糖尿病、循環器疾患、呼吸器疾患などの全身疾患が歯周病と関係していることがわかってきています。
糖尿病の患者さんは、歯周病になりやすく重症化しやすいです。
また、歯周病は、糖尿病、心筋梗塞などの心血管系疾患、脳梗塞などの脳血管疾患、そして非アルコール性脂肪肝疾患に悪影響を及ぼします。
がん患者さんにおいては、抗がん剤治療(化学療法)期間中に口腔乾燥や重度の口内炎など口腔内の副作用が起こりやすくなります。また、化学療法期間中は、白血球数の減少に伴い免疫力が低下します。免疫が低下している時期に口腔内に細菌が多量に存在すると、肺炎や敗血症などの感染症を引き起こす場合があります。その結果、化学療法を継続することが困難になる可能性もあります。化学療法前に歯周治療による口腔内の感染巣除去を行うことで、これらのリスクを予防することができます。
歯周病の治療法
●歯周治療で最も大切なのは、歯ブラシの方法(ブラッシング法)です。当院では歯科衛生士が個々の患者さんに合ったブラッシング法を丁寧にお話します。歯周病は年齢に関係なく発症している方も多いため、歯肉が痛いな…ブラッシング時に出血するな…歯がグラグラして噛みにくいな…口臭がするな…など気になる点がありましたら受診をおすすめします。
●ブラッシングでは改善しない部位に対しては、歯石除去以外に歯周病が進む原因を取り除く治療を進めます。そして、ブラッシングしやすい口腔内の環境に整えていきます。歯周病が進む原因は、患者さんによって様々ですので、治療前にその原因や治療法について具体的に説明しながら治療を進めます。